矯正歯科治療について
矯正歯科とは悪い歯並びや噛み合わせを正しく改善する治療法です。
矯正装置を使用し、歯や顎の骨に負担のないように力をかけ、ゆっくり歯を移動させ、最適な歯並びへと改善します。
歯が不揃いであっ たり、上下の顎の噛み合わせが悪いと咀嚼や構音(発声により声をつくること)障害を生じたり、虫歯や歯周病など様々な病気を引き起こす原因となります。また、不正咬合を治療することにより、容貌や表情の改善もはかれるため、自分の容姿に自信が持てコンプレックスの解消につながるのも治療の重要な目的です。
なぜ歯科矯正が必要なのか
- むし歯や歯周病になりやすい
歯が重ったり凸凹に並んでいると、十分に歯みがきできずに食べかすもたまりやすくなります。そのため、むし歯や歯周病にかかりやすくなります。
- よく噛めない
歯並びが悪いと正しい咬合ができません。そのために、食べ物を正しくかむことができず、まる飲みのクセがついてしまい、胃腸にも大きな負担を与えてしまいます。
- 顎の成長、顔のかたちにも影響する
顎の骨や顔の筋肉は、正しくかむことで発達します。不正咬合だとそれができませんので、顎が未発達になったり、顔が歪んだりする影響がでてきます。
- 口もとが気になる
歯並びが悪いとコンプレックスの原因になり、話したり笑うときにもつい口もとを手で隠したりします。ストレスもたまり、歯ぎしり、肩こり、姿勢も悪くなりがちです。
- 発音しにくい
かみ合わせの状態によって、さまざまな発音障害がでてきます。とくに英語などの外国語の発音が難しくなります。
矯正治療が望まれる歯並び
●叢生(そうせい)
歯と歯が重なりあっている「八重歯」や「乱ぐい歯」のことです。
●反対咬合(はんたいこうごう)
下の歯が上の歯よりも前に出ているかみあわせで「受け口」のことです。
●上顎前突(じゅうがくぜんとつ)
上の歯が下の歯よりも突き出ているかみ合わせで「出っ歯」のことです。
●開咬(かいこう)
奥歯はかんでも前歯はかみあわずに開いている状態です。
矯正治療のスケジュール
STEP1 初診相談
現在の問題点やお悩みをお聞きしながら診察し、歯科矯正の概略・期間・費用などを説明します。
STEP2 精密検査
診断に必要な頭蓋全体のレントゲン、歯列の模型、写真などの資料をとります。症状によっては顎関節のレントゲンや顎の動きの機能検査もします。
STEP3 検査の説明
精密検査の結果をもとに、治療方針、期間、費用の詳細を説明します。
STEP4 歯みがき指導とクリーニング
治療中にむし歯や歯周病にならないように予防処置をします。
既にむし歯や歯周病がある場合には治療します。
STEP5 動的治療:半年~3年位
矯正治療を装着して歯を動かし、段階的に進めます。
装置の装着後は3~4週間ごとに通院します。
STEP6 動的治療(保定):2年位
動的治療を終えてから、かみ合わせが安定するまで保定装置を使い移動した歯をしっかり安定させます。
歯科矯正Q&A
矯正治療は何歳ごろから始めるのがよいのですか?どの人にもあてはまるような年齢はありません。しかし、歯並びの乱れが成長期(8歳から14歳)に著しく認められる場合は、すぐにかかりつけの歯科医師にご相談ください。
成人の方でも矯正治療を受けている方はたくさんいます。最近では中高年の患者さんも多くいらっしゃいます。
基本的には抜かない治療を心がけますが、とくに凸凹がひどい場合には歯を抜くこともあります。しかし、抜いた隙間が残ることはありません。
初めて装置をつけた時には、3~4日歯が浮いたような痛みがありますが、我慢できない痛みではありません。その痛みも1週間ほどで慣れます。
むし歯になったら、その部分だけ装置を外してむし歯の治療を行ないます。その分、治療期間も伸びてしまいますので、むし歯にならないように丁寧にブラッシングを心がけましょう。
治療内容によって期間や費用は異なります。一般的には動的治療には1~3年、治療後の保定で1~2年程度かかります。費用はかかりつけの歯科医師にご相談ください。